その減量治療、正しいでしょうか?
現在は多くの施設で減量治療を謳っているものを多く目にします。
しかし、実際には高額な金額であったり、お薬を処方するだけであったり、残念なことにその先生のご専門を拝見しても減量治療の経験のない方が多くいらっしゃいます。
体重が増えてしまうことは「自己管理ができていないから」、「意志が弱いから」、「だらしないから」そう思っていらっしゃるかもしれませんが、私は立派な病気だと考えております。
そしてその病気はなかなか治ることが無く、ある意味一生涯付き合っていくものです。
上手く付き合い、コントロールするには適切な方法があります。
私は大学病院で肥満症治療チームの一員として長らく肥満症治療に携わった経験がありますので、その経験をもとにお一人お一人に合ったオーダーメイドの治療を提供させていただきます。
お薬はあくまで手段の一つに過ぎず、様々な方法で総合的に患者様の減量治療のサポートをさせていただきます。
肥満症はなぜ悪い?
減量したい理由は健康面、整容面など人によって違うと思います。
肥満症はさまざまな病気を引き起こすことが知られており、その代表的なものとして「糖尿病」「脂質異常症」「高血圧」があります。また、内臓脂肪が多いタイプの方(腹囲の大きい方)はこれらの病気を合併しやすく、最終的に「狭心症・心筋梗塞」や「脳梗塞」につながりやすく、メタボリックシンドロームと呼ばれています。
ほかにも、「睡眠時無呼吸症候群」「変形性膝関節症」「月経異常・不妊」「腎臓病」、さらには「心不全」や一部の「がん」も肥満にともなって起こりやすくなることがわかっています。
肥満症の治療方法
食事・運動療法
肥満症治療のなかで食事療法は最も重要ですが、最も難しいものでもあります。全体のカロリーを減らして、たんぱく質・脂質・炭水化物(糖質)をバランスよく摂ることが基本であり理想ですが、実際には簡単にはいきません。「外食中心の生活を送っている」、「夜勤などで不規則な生活」「空腹感がつらい」など、さまざまな声を聞きますし、私自身も何回も失敗をしております。
当院では、患者様ひとりひとりのライフスタイルに合うような実践可能でかつ効果的なポイントを一緒に模索しサポートし、必要であればサポートしてくれるような効果をもつ薬剤もご提案をさせていただきます。
運動療法についても患者様が実践可能なスケジュール・内容をご提案させていただきます
こんな方におすすめです
- 自分で食事を作るのが好き
- 自宅で食事を摂ることが多い
薬物療法
国内の薬剤では食欲を抑えるタイプの薬が抗肥満薬として認可されています。この薬は主に食欲をおさえるはたらきがあるため、空腹感が強すぎて食べすぎてしまうタイプの方に有効な可能性があります。BMI 35 kg/㎡以上の方に対して保険適応となりますが、薬の特性から病状によっては使用できない場合があります。ほかにも、糖尿病のお持ちの患者様に対しては、糖尿病薬の一部に食事療法をサポートし、減量に有用な場合があります。
当院では、患者様の病状・ライフスタイルをよく診て、またお薬に対する患者様ご自身のお考えもよくお聞きして、納得できる薬物療法をご提案してまいります。
こんな方におすすめです
- 過体重により糖尿病などがある
- 食欲が強く我慢できない
外科治療
高度な肥満症のため困っている患者様には、胃を細く切除する手術である、「腹腔鏡下スリーブ状胃切除術」や2024年6月からは「腹腔鏡下スリーブ・バイパス術」が保険適応となっています。具体的にはBMI 35 kg/㎡以上で、さらに糖尿病などの合併症がある方が対象になります。 手術療法の効果は非常に高く、大幅な体重減少と健康障害の改善が期待できます。薬剤などを用いた内科的な治療で効果が十分に得られない患者様にも有効な治療方法であり、欧米では手術療法は最終手段ではなく、早い段階で検討するべき標準治療となってきています。
一方で、この手術を受けるにあたっては特有の注意点がたくさんあるため、手術療法を熟知した代謝内科医師による手術前後のサポートが非常に重要になります。詳細をお知りになりたい方は、ぜひ当院へ受診していただければと思います。当院では、手術に適した方を実施が可能な医療機関へ紹介いたします。
こんな方におすすめです
- BMI(体重÷身長2)が32以上
- 肥満症による合併症(高血圧、糖尿病、脂質異常症、関節痛など)が多い
- 大幅な減量効果を得たい
- 減量した後のリバウンドも予防したい